大学、企業と連携した生活習慣病予防プロジェクトを実施 大学、企業と連携した生活習慣病予防プロジェクトを実施
堺市立総合医療センター(院長:大里 浩樹)と関西大学人間健康学部(学部長:村川 治彦)、カゴメ株式会社(代表取締役社長:山口 聡)、エーテンラボ株式会社(代表取締役CEO:長坂 剛)は、本年5月より、4者による共同事業として、働く世代を対象とした生活習慣病予防プロジェクトを実施します。本プロジェクトは、産学医連携による生活習慣病予防の取組みであり、出張健康教室などを通じたメタボリックシンドロームの予防と筋力の低下予防・維持を目的として実施します。
1 実施期間
令和4年5月から令和8年3月まで
2 プロジェクトの概要
メタボリックシンドロームの予防は、虚血性心疾患の予防や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防に効果があり、これらの生活習慣病への対策が健康維持・健康寿命の延伸には重要となっています。仕事や子育て、親の介護等で自らの健康に関心を向けることが難しいと言われている壮年期世代の人達が自らの体に関心を向け、今までの生活習慣を変えることで病気を未然に防ぐことができるよう、大学や企業と協力して出張健康教室や定期的なフォローアップを実施し、その効果を検証します。
3 実施対象
堺市上下水道局職員※1(開始時の年齢が35歳から59歳までの約50名)
4 大学、企業との連携
(1)関西大学人間健康学部
同学部は、令和4年3月に当院と地域における健康増進・健康寿命の延伸等を目的とした包括連携協定を締結しており、本プロジェクトでは、主に出張健康教室等で収集したデータの分析を担っていただく予定です。
(2)カゴメ株式会社
同社が開発したセンサーに手のひらを当てるだけで野菜摂取レベルや推定野菜摂取量を測定することができる「ベジチェック」により、参加者が自身の推定野菜摂取量を知ることや、食生活改善活動の成果を実感することで、対象者の行動変容を促すことを補佐します。
≪参考:ベジチェック≫
https://www.kagome.co.jp/library/products/healthcare/news/pdf/20200923002.pdf
(3)エーテンラボ株式会社
同社が提供する習慣化アプリ「みんチャレ」を活用し、日々の活動量(歩数)の記録とデータの集計を行うとともに、チャットや写真の共有を行いながら参加者の継続率の向上を目指します。
(花房 俊昭:堺市立総合医療センター 疾病予防管理センター長 コメント)
いくら高度医療が発達しても、病気になってしまってから病気を完全に治すことは困難です。医療の最先端にいる私どもは、そのことを毎日痛切に感じています。そこで、「予防に勝る治療なし」という信念のもと、堺市立総合医療センターは、堺市民の皆さんが健康に人生を送っていただくため、病気にならないための活動を積極的に推進していきます。その第一歩として、大学・企業と連携し、生活習慣病予防プロジェクトを開始します。
(弘原海 剛:関西大学人間健康学部教授 コメント)
この度の産学医連携による取組みに参加することになり、心躍る思いでいます。今後さまざまなプロジェクト(活動)が立ち上がる予定です。私達の基礎研究の成果が実験室を飛び出し、応用研究・開発研究へ駒を進めることになればいいと思っています。市民の皆さまの「予防」に役立つ実践的活動になるよう頑張ります。
(曽根 智子:カゴメ株式会社健康事業部長 コメント)
日本人の野菜摂取目標量は1日350gと定められていますが、国民の野菜摂取量はなかなか増加しません。この原因の一つとして、自分がどれだけ野菜を食べているか分かりづらい、あとどれくらい食べれば目標に到達できるのかが分かりづらいという点がありました。ベジチェックは短時間センサーに手をのせるだけで、自分がどれくらい野菜を食べていそうなのか、あとどれくらい食べれば良いのかを知る事が出来ます。カゴメはベジチェックの普及を通じて、国民の野菜摂取量の増加に貢献してまいります。
(長坂 剛:エーテンラボ株式会社代表取締役CEO コメント)
生活習慣病予防は重要だと分かっていても自覚症状がないので「始められない」「続かない」という課題があります。産学医連携でみんチャレでのデジタルピアサポート※2を活用することで、楽しく生活習慣の改善が行えるようになり、ひいては生活習慣病予防の実現に貢献することを目指します。
※1 堺市上下水道局は、職員及び市域の健康増進・健康寿命の延伸に向けた取り組みに関し、当院と連携協定を締結しています。
※2 同じ境遇の仲間がアプリやWebサービスなどのオンラインで交流し、助け合うこと。「ピア」は仲間を、「サポート」は支援を意味しています。